カベヤです。
ビタミンのお話はとても重要ですが、患者さんには優先度の高い順番でお話しするようにしています。
まずは腰痛や肩こりなどの慢性的な不調、美容、ダイエットなどなど健康の基本は”低糖質高タンパク”というところから始まります。
基本である低糖質高タンパクがクリアできてくると、次は脂質のお話になっていきます。
脂質もクリアできると、ビタミン、ミネラル、腸内環境のお話になってきます。
で、ビタミンといえばビタミンCです。
なぜなら、ビタミンの中でもビタミンCはダントツで必要量が多いからです。
1位 ビタミンC
2位 ナイアシン
3位 ビタミンE
4位 パントテン酸
5位 ビタミンB6
栄養療法を語る上で、ビタミンCは外せません。
しかも、大量に摂る必要があります。
大量に摂らないといけない理由について、カベヤの考えを語っていきます。
実は、ほとんどの生物はビタミンCを自分で合成できます。
なんと10億年も前からビタミンCは存在し、生物の代謝に関わってきました。
そして人間は2500万年前にビタミンCを合成する能力を失いました。
2500万年前の祖先は、ビタミンCが豊富な果物がある地域に住んでいたと言われています。
もっと進化して高等生物になりたいなあ。。。
毎日毎日大量のビタミンC合成するのにけっこうしんどいなあ。。。
せや!
ビタミンCはいつも食べてる食べ物から取れてるし、自分で合成するのやめたろ!
余ったエネルギーやタンパク質は他の代謝に回すことでワイは高等生物になるんや!
と言って(ごめんなさい言ってないと思います)、
ビタミンCの合成という重労働から解放されることで人間は進化してきたと言えるでしょう。
なので、大量に口から摂らないといけないわけです。
そして果物も野菜も、昔とは違って栄養素が減っているのでビタミンCに関してはサプリが必要かなと思っています。
人間の体では”代謝”という名の化学反応が絶えず行われています。
食べ物を消化して吸収するのも化学反応。
自律神経をコントロールするのも化学反応。
怒ったり泣いたりするのも化学反応です。
僕たち人間は、化学反応の連続で生きているわけです。
そんな化学反応に必要なのが
・酵素(タンパク質)
・補酵素(ビタミン)
・補因子(ミネラル)
です。
酵素は補酵素や補因子の力を借りて初めて化学反応を起こせるわけです。
で、ビタミンやミネラルの中でもビタミンCは1000以上の化学反応に関わるので、たっぷり必要なんです。
- 抗酸化
- コラーゲン合成
- ホルモン合成
- ヒスタミンの合成を抑える
- 抗ウイルス・抗菌
- 免疫
- ミネラルの吸収を促進する
抗酸化というのは、老化を防ぐということです。
老化には、
・酸化(さびる)
・糖化(こげる)
・炎症
の3種類があるわけですが、ビタミンCは酸化を防いでくれます。
抗酸化についてはビタミンCが代表的ですが、他にもすごい奴らがいて、ビタミンE、コエンザイムQ10、アスタキサンチン、水素なんかについても喋りたくなってしまいます。ですが、この記事はビタミンCについてまとめたいのでまた別の機会に語ります。
コラーゲン生成は、お肌のためにビタミンCを飲んでいる人も少なくないと思うので、ご存知の通りだと思います。
高いコラーゲンサプリを飲んでいる人もいますが、実はコラーゲンの合成にはタンパク質とビタミンCと鉄が必要です。
あと免疫でも関係するので、感染症対策として国民にビタミンC、ビタミンD、亜鉛を配布している国もあるようですね。
この3種類は免疫3銃士なのでぜひ覚えて下さい。
教科書的な主な作用について述べてみましたが、「じゃあ実際ビタミンCにはどんな効果が期待できるの?」と言われれば、「めっちゃいろんなことが期待できるよ!」というしかありません。
いっぱいあるんです。
- 感染症にかかりにくくなる
- 不妊の改善
- アレルギー改善
- 頭が良くなる
- 認知症改善
- 精神疾患改善
- 慢性疲労改善
- ダイエット効果
- ストレスに強くなる
- 肌荒れ改善
- 動脈硬化改善
- 関節痛改善
- 骨が強くなる
- ガン
- 老化を抑える
- 白内障、緑内障予防、改善
なんと、これだけの効果が期待できます。
体質にもよりますし他の栄養素との兼ね合いもあるので一概にはいえませんが、”十分なビタミンCを摂取できれば”期待できます。
一般的な栄養学では、「ビタミンCは80mgを超えて摂取すると尿中排泄されるので意味がない」と言われていて、1日の推奨摂取量は100mgとされています。
ちなみに、よく言われる「レモン1個分」は20mgです。
しかし、こんなんじゃ全然少ないと考えております!
分子栄養学を日本で最初に唱えた三石巌先生は、ビタミンCを経口投与した際の血中半減期は16日後と言われています。
尿中に排出されるまでに、吸収されてから体の中を巡り、血液や各組織のビタミンC濃度を高めて、代謝に利用されているから無駄ではないというわけです。
では、どれくらい摂れば良いかというと、”人による”ということと”体調による”という話になってきます。
目安としては、先程のビタミンCがもたらす効果を得ようと思うと1日に3000mg〜9000mgになります。
ビタミンCほど、必要量に個人差が大きい栄養素も少ないかもしれません。
まずは1日に3000mg(朝、昼、晩で1000mgずつ)から始めてみてはいかがでしょうか。
ビタミンCの必要量が人によって違うのかというと、三石巌先生の唱えた”確率的親和力”にヒントがあります。
酵素反応は酵素と補酵素(ビタミン)や捕因子(ミネラル)が結合することで起こる。
酵素はその人の持つDNA(タンパク質の設計図)によって形が異なる。
形が異なるので、結合する確率が人によって変わる。
ビタミンCの場合は個人差が100倍あると言われる。
ビタミンCが必要な化学反応は1000種類以上と非常にたくさんあるわけですが、公平に使われていくわけではなく、その使い道には優先順位があります。
栄養素は優先順位が高いところから使われていく。
命に関わるところから使われていくのが基本で、人によって順位は違う。
ビタミンCの場合は、
- ウイルス退治
- 抗酸化作用
- コラーゲン合成
- 色素沈着予防
- 鉄の吸収
- アルコール分解、副腎皮質ホルモン合成、カルニチン合成など
の順番で使われていく人が多い。
ビタミンCの摂取量が少ない人は、体の1000以上の化学反応が生命活動に関わることにだけ使われていて、足りない分の化学反応は正しく起こせないのです。
ちなみに、副腎皮質ホルモンの合成はストレスの処理です。
ストレスの処理って後回しなんですね。
アルコールの分解にも使われるので、お酒を飲む人はしっかり摂っておくと良いですね。
ビタミンCの欠乏症としては壊血病が有名です。
体のあちこちで出血があったり、歯が抜けたり、傷が治らなくなったり、古傷が開いたり、感染症にかかりやすくなったりする病気です。
船乗りに多かったとされています。
ワンピースに出てきた壊血病って実際に存在する病気だったんだね|あにまんch
https://animanch.com/archives/20416888.html
ただこれはよっぽど足りない状態で、数週間から数ヶ月ものあいだガッツリ欠乏しないと発症しないんです。
現代人ではほとんど起こらないんですが、そこまで欠乏していなくても不足しているサインはあります。
- 爪や肌が荒れる
- 歯茎から出血しやすい
- 風邪をひきやすい
- 怪我が治りにくい
これらはビタミンCがかなり足りていないサインなので、注意が必要です。
ちなみに子供では、ビタミンCが不足することで知能指数が低下するという研究もあったりします。
野菜やフルーツをほとんど食べない子で、お菓子や炭水化物ばかり食べている場合は注意が必要です。
ビタミンCはグミになっているサプリもあるのでそういったものを活用するのもいいかもしれません。
ビタミンCについては、大量に摂ることが大切なので食事ではなくサプリメントがオススメです。
1日3000mgから始めてみてください。
1回につき1000mgで、3回に分けて飲むと良いです。
食品のパッケージに「レモン1個分のビタミンC」と表示されているのは20mgなのですが、ビタミンCを体の細胞に行き渡らせてしっかりと酵素反応を起こさせようと思うと1日に2000〜3000mgくらいは摂って欲しいので実は「レモン1000個分のビタミンC!」とか書いてある食品じゃないと、全然足りません。
これを食品から摂取するのは至難の業で、現代の手に入れやすい野菜の栄養価はかなり少なくなっていると言われています。
「野菜をよく食べているから大丈夫」という人は欠乏症が出ないレベルの摂取しかできないでしょうし、
「フルーツをよく食べるから大丈夫」という人も慢性的な不調を改善するほどのビタミンCはまず摂れないと思ったほうがいいです。
ビタミンCがたくさん入った飲料なども市販されていると思いますが、覚えておいて欲しいことがあります。
ビタミンC自体はかなり安いです。
コンビニなどでエナジードリンクの横に置いてある酸っぱい系の飲み物を買うよりも、サプリで摂ったほうが断然安いです。
あと、ビタミンCがたくさん入っている飲み物は酸っぱすぎてそのままでは飲みにくいのでブドウ糖果糖液糖が添加されている場合が多いです。
せっかく体のためにビタミンCを摂取するのに血糖値が急上昇して不健康に繋がってしまうので、砂糖やブドウ糖果糖液糖が添加されている飲み物ははなるべく避けるようにしてください。
サプリメントを始めるとき、ビタミンCから始めるのがオススメなのは前述の通り”必要量が多いから”ということと、”コストが安いサプリメントだから”という面もあります。
栄養療法はお金をかけようと思えばいくらでもかけられますが、実際には栄養素単体で買うとかなりコストが下げられます。
メーカーに指定はないので、安くて続けられるものから始めると良いと思います。
僕はビタミンCをいろんな方法で摂りますので、紹介しておきます。
”ビタミンC粉末”か、”アスコルビン酸粉末”というものを買ってプロテインや飲み物に入れて摂取するのがコスパ最強です。
めちゃくちゃ安いです。
大体1キロくらいで売ってるので、1日に3000mgマジメに摂取したとしても333日分です。
1000円くらいで売ってるので、1日あたり3円です。
基本的には1000mgずつ摂取するので、1回1円です。
僕が飲んでいるのはこれです。
ぜひ、粉で摂るのをオススメします。
めちゃ酸っぱいので気をつけてください!
粉がコスパ最強なのですが、デメリットもあります。
毎日となると粉を袋から取り出すのがちょっとめんどくさい時があったり(めんどくさがり)、出先では使いにくかったり、酸っぱいのでコーヒーお茶や甘い系のプロテインには絶望的に合わないことです。
そんな時はサプリメントがお手軽です。
サプリメントも、粉ほどではないんですが、やっぱり安いです。
逆に言うと、ビタミンCに関しては量が大切なのであんまり高いやつ買う必要はないと思います。
(リポソーマルとかタイムリリースとかこだわる人は別です)
僕が飲んでいるのはこれです。
1,000mg入っているものだと1錠が大きいので、サプリを飲み込むのが苦手な人や女性は500mgのものを2錠の方が良いかもしれません。
※iHerbでお買い物をする際は注文画面で紹介コードAVD7381と入力していただくと割引が適用されますのでぜひお使いください!
高タンパク、低糖質、脂質の質を変えることを実践できている人は、ビタミンCをしっかり飲むところから始めましょう。
・体の1000種類以上の酵素反応で使われるビタミンCは大量に摂った方が良い
・1日3000mg〜
・できれば下痢する手前くらいまで飲めると良い
・1回につき1000mg
・食品では厳しいのでサプリを使う
・粉がコスパ最強
・ビタミンCはそもそも安い
素晴らしい効果が期待できるビタミンC健康法ですが、高タンパク低糖質の方が大事なので、お願いしますね!
1番良いビタミンCの補給方法は、高濃度ビタミンC点滴です。
ただコストがそれなりにかかるので、経済的に健康に対して自己投資ができる金額が多めの人でないと定期的に行うのは難しいのかな、と思います。
可能であれば、ぜひ取り入れていただくと良いかと思います。
あと、下痢する手前まで摂れると良いと言いましたが、風邪をひいた時など体調不良の時は必要量がさらに上がるので、どれだけ飲んでも下痢しなかったりします。
風邪気味だなと感じたら、ビタミンCをモリモリ飲んでみてくださいね!